魚の名前 / 魚へん漢字の覚え方 30字
魚の名前を魚辺一文字で表わす文字は、中国から伝わった漢字ではなく、その多くは日本で独自に創られた国字です。
由来を丁重に説明すると堅苦しく難しくなりますので、又その由来も真に定かのものは少ないようなので、漢字の覚え方として多少崩して表現しました。
また、旧字と新字の定め方が一般社会通念を多少外れている思いもあり、混乱してしまうところもあると思いますが、あくまで漢字の覚え方として、なるべく由来にそって簡潔に説明させてもらいました。
読み流す程度に見て下されば幸いです。
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■ マグロ / ヒラメ / アユ / サメ / ナマズ / ドジョウ / シャチ / フグ / サケ / マス / イワシ /
サバ / タラ / タイ / ニシン / カレイ / コイ / ブリ / カツオ / アジ / ウナギ / ホッケ / キス / ハモ / ウグイ / クジラ / イワナ / ハタハタ / カズノコ / アワビ /■
鮪
■ マグロ
魚辺に有と書きます。
日本を代表する魚ですね。
マグロは魚の中の魚なので、魚があってマグロ有りです。
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ヒラメは平たい魚ですね。
ヒラメは訓読みで、中国語でも鮃(ヒラメ)というそうです。
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魚辺に占めると書きます。
アユの友釣りという釣法は聞いたことがあると思います。
アユは自分の縄張りを守ろうとして争います。
縄張りを独占する(占める)からつけられました。
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鮫
■ サメ
魚辺に交えると書きます。
上下の牙を交えむき出す、こわい顔をした魚です。
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鯰
■ ナマズ
魚辺に念と書きます。
むかしは、ナマズが暴れると地震が起こると言われました。
思い念じて地震を予測する魚です。
由来としては、念は「粘る」という意味があり、ナマズの体がヌルねばしているからだそうです。
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鰌
■ ドジョウ
魚辺に酋(シュウ)と書きます。
「酋」はミミズを意味し、ミミズのように泥の中に住む魚という意味があります。
「酋」は、酋長(シュウチョウ)と言われるように「おさ・かしら」とうい意味があり、大きいミミズのかしらは鰌(ドジョウ)かな?
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魚辺に虎と書きます。
マイルカ科の仲間ですが、体長は6~7mもあり肉食性で海の自然界では最強の魚です。
漢字の鯱(シャチ)は、頭は虎(トラ)に似て、背には鋭いとげがある伝説上の魚で、訓読みで「しゃちほこ」とも読みます。
海のシャチは虎のように強く、伝説上のシャチは虎の頭をもった魚です。
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鰒
■ フグ
魚辺に腹と書きます。
腹の膨れている魚はフグ。
河豚(フグ)とも書きますが、こちらも豚のように膨れた姿をしていることから「河の豚」でフグです。
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鮭
■ サケ
魚辺に圭と書きます。
「圭」は形が整ったものなどの意味を持ちます。
サケも美形ですよね。
サケは川で生まれ、海で大人になり、生まれた川に戻って来ます。
生まれた川(土地)と育った海(土地)、2つの土地を合わせて「圭」です。
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魚辺に尊と書きます。
マスはサケ目サケ科に類し、尊は「うやまう」「価値が高い」などの意味があります。
味がサケに勝るから、尊は「味が増す」ので鱒(マス)と書きます。
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魚辺に弱と書きます。
陸に揚げるとすぐに弱って腐りやすい魚が「イワシ」です。
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魚辺に靑と書きます。
サバの色が青いことから、青っぽい魚の意味で鯖(サバ)になりました。
靑は青の旧字体です。
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魚辺に雪と書きます。
日本ではマダラやスケトウダラを指し、冬の雪が降る頃、沿岸部に産卵で寄ってきます。
この時期に獲れて、身が雪のように白いので鱈(タラ)と書きます。
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魚辺に周と書きます。
周とは、「すみずみまで」「ゆきわたる」という意味です。
姿が美しく、「めでタイ」に通じる事から、昔からお祝いの席に「タイがよく出ました。
それが皆に幸せを行き渡らせる魚の意味をもち、魚辺に周を付けて鯛(タイ)の字になりました。
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魚辺に柬と書きます。
ニシンは「東の魚」の意味として鰊と書きます。
柬と東は単独では意味は違い、合わせ字も鰊はニシン、鯟は鯉に似た魚なのですが・・。
ただ、ニシンの古名は「かど」といい、室町時代の古辞書には鯟(かど)と記録されているらしいです。
鯟がいつ今の鰊(ニシン)の字に変わったのかは、はっきりしません。
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魚辺に枼(葉の草冠ナシ)と書きます。
葉っぱのように薄い魚という意味から、魚辺に枼(薄いもの)を付け、鰈(カレイ)と書きます。
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魚辺に里と書きます。
里にはウロコや筋の意味があり、コイはウロコがはきりしていて筋目が見える魚だったので、「鯉」とされたようです。
しかし、化石などから古く日本に生息していたノゴイは、野生の淡水魚として里に住んでいました。
里とは山中や田園地帯の郷のことで、鯉は里に住んでいたが覚えやすいですね。
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魚辺に師と書きます。
冬の「寒ブリ」は産卵期前で脂がのっていて旨いですよね。
ブリは、師走(12月)が旬なので、魚辺に師を付け「ぶり」と読みます。
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魚辺に堅いと書きます。
カツオは、古事記や万葉集に堅魚(カタウオ)とあります。
カツオの鰹節を削る様は、いかにも堅いですね。
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魚辺に参(サン)と書きます。
むかし、アジの旨かった時期が旧暦の3月(新暦では4月から5月ころ)だったので魚辺に参(サン)が付きました。
今は、九州から北海道南部にかけてほぼ1年中漁獲されますが、5月~7月がもっとも旨い時期です。
名付けられたアジは、九州か島根産でしょう。
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鰻
■ ウナギ
魚辺に曼(マン)と書きます。
曼の意味には「ツヤ」とか「長い」という意味があります。
長くてツヤのある魚はウナギですね。
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魚辺に花と書きます。
法華経(ほけきょう、ほっけきょう)は、誰もが平等に成仏できるという仏教思想の原点が説かれています。
仏教には蓮(ハス)の花がよく出てきますよね。
法華経(ほっけきょう)とハスの花。
元々のホッケの名付けは、仏教とはまったく関係ありませんが、語呂合わせとして魚+花=ホッケです。
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鱚
■ キス
魚辺に喜ぶと書きます。
キスの「キ」は、めでたい漢字の「喜」を選んだとされています。
魚が喜ぶと書いて鱚(キス)ですね。
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鱧
■ ハモ
魚辺に豊かと書きます。
ハモ(ヤツメウナギ)は生命力が強く(豊か)、栄養も豊かなので鱧と書きます。
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鯎
■ ウグイ
魚辺に成と書きます。
ウグイは雑食性で何でも食べます。
日本中に生息していて分布の広さから数多くの地方名ももっています。
淡水魚ですが、海に出る個体もいます。
成は「出来上がる」「仕上がる」などを意味し、ウグイは生息環境に「成る」ことができる魚です。
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魚辺に京と書きます。
むかしはクジラを、大きな魚と考えていました。
数字単位の、億、兆、京から、並外れに大きいものを表すため魚辺に京を付けて表しました。
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魚辺に未と書きます。
山奥深く、川の最上流の冷たい水に生息するイワナ。
肉食性で、昆虫や他の魚、川周辺樹木から落ちる虫、カエル、へび等も食べます。
未は「木」に横線を一本加えて「枝が生えている木の形」、山奥深い川の上流域周辺は木立など覆い茂った環境です。
そこで一生住みつづけるイワナを、魚辺に未(木の形を表す)を付けて表しました。
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鰰
■ ハタハタ
魚辺に神と書きます。
ハタハタは、雷鳴の多い時期に獲れる魚です。
雷の「ゴロゴロ」は、古語「ハタハタ」の擬声語で、その時期に雷神さまから賜れた魚を神の魚として鰰(ハタハタ)と書きました。
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魚辺に希と書きます。
カズノコはニシンの卵です。
希は「まれ・めったにない・希少、望む・こいねがう」などの意味があり、数少ないことや卵粒の多さにあやかり子孫繁栄を望むことで、魚に希を付けて鯑と書きました。
一般的には使わない字です。
私的に使用して、正式な書類などには使わないほうが良いようです。
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鮑
■ アワビ
魚辺に包と書きます。
アワビの貝殻は大変丈夫で、人の手では容易に割ることはできません。
この構造を研究し、より強固なセラミックの開発までされているようです。
アワビはこの貝殻によって身を包み、身を守ります。
身を包む意味から、魚(身)に包を付けて鮑と書きます。
◇
◇
魚だけのつもりでしたが、哺乳類のクジラ・シャチや寿司ネタっぽいものまでいれてしまいましたが・・・。
それらもなぜ魚辺が付くの?という疑問もあるでしょが、海に暮らす生き物として違和感は少ないと思いました。
魚辺の字は80字ちかくあるようですが、日常的に目にし、使う頻度が多少でも多く、誰でも知っている字を「30字」選んで紹介しました。
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