トイレットペーパーが出廻るまでの歴史
トイレで用を足す時、大変お世話になるのがトイレットペーパーです。
水洗トイレの普及と共に、水に溶ける紙が必要となりトイレットペーパーも急速に普及しました。
1960年代中ころから、汲み取り式便所から水洗式トイレへ、そして和式から洋式へと変わりはじめ、トイレットペーパーがちり紙に取って代わりました。
トイレットペーパーは、1950年中ごろから日本各地のちり紙メーカーが、トイレ使用のロール紙を作り始めています。
1970年代ころでは、古くからのちり紙の方が多く生産されていましたが、それ以降はトイレットペーパーが逆転しています。
日本ではトイレで用便の後の清拭用紙を古くからは落し紙といわれ、現代では便所紙、ちり紙などとも云われています。
巻き取りタイプの便所紙は明治時代末期にはあったそうですが、水には溶けなかったでしょう。
トイレットペーパーは外来語になりますが、今ではトイレットペーパーとは水に溶ける紙として一般的です。
ロール紙や平版の水に溶けるちり紙が普及して、用途に応じてトイレットペーパーとティッシュペーパーとが完全に分類されてしまいました。
(中国などでは、トイレットペーパーといっても水に溶けないものが多いので、一部以外は紙を流すことは禁じられているそうです)
私の仕事の先輩Sさんと雑談してて聞いた話しですが、彼の幼いころ50数年ほど前になります。
自宅の和式のポッチャン便所に薄茶色っぽい硬いちり紙が、2、30cmほど積まれて置いてあったそうです。
時々ちり紙をきらしたときなどは、新聞紙や古雑誌を持って行き、手頃の大きさにちぎって手でもみほぐして使っていたそうです。
それでもそれなりに当たり前のこととして生活をしていたと言いますから、日本の生活模様の急速な変化には驚きました。
今では日本国内の水洗トイレのある住宅の割合は91%近くになり、温水洗浄便座の普及率は80%超えているそうです。
そうなると普通の紙を使って流せません。
今やトイレットペーパーは生活の上で要必需品になっています。
しかし地球上の国々全体では、紙を使っているのは全人口の1/3だそうです。
紙を使っているのは、日本を含めアジア、ヨーロッパ、アメリカ、オーストラリアなどが大半を占めています。
紙以外のものを使用している国や地域でも都会のホテルや、余裕のある家庭では紙を使用しているようです。
昔から今に伝わるの用便後の尻始末用具を調べてみました。
1.木の葉→乾燥させてしんなりさせたり、塩水につけて柔らかくしたものを使う。
2.ロープ→中国(黄土地帯)、アフリカ諸国(サバンナ地帯)などでは2本のくいにロープを張りお尻をこすって拭いたりする。
3.木片・竹べら→中国、日本でも戦後まで使用されていた地域があったようです。
4.樹皮→うすくはがした木の皮。
5.ボロきれ→ブータンなど。
6.海草→海岸の地域。日本の海岸地帯でも利用されていた。
7.雪→冬の雪の積もる地域
8.とうもろこしの毛や芯→アメリカ
9.指と水や砂→インド、インドネシ、サウジアラビア など。
動物たちは脱肛排便ですが、用便後の始末をするのは人間だけです。
人は二足歩行のため、口と肛門が垂直なので重力で食物などが下がり肛門を締めなければならなくなりました。
そこから、肛門まわりを清潔にするようになったのですね。
参考資料:トイレットペーパーの歴史
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