ソニーブログ

趣味、旅行から健康、スポーツ、自然、歴史、動物など生活雑事に関して紹介します。

*

静かでひなびた風情 山形大蔵村「肘折温泉」

      2017/11/30

肘折温泉は、山形県大蔵村の山あいにあり、開湯1200年の歴史があります。

火山の爆発により形成された肘折カルデラの中にあり、昔ながらの湯治スタイルを守り続けている、静かでひなびた風情の温泉地です。

肘折という名の由来には、肘を折った老僧がこの温泉の湯に浸かり傷を治したという説がありますが、実際に骨折や傷に効果のある湯が沸いています。

私は、夏にこの肘折温泉を訪ね、素朴な雰囲気を楽しんできました。

%e5%b1%b1%e3%81%82%e3%81%84-%e9%9b%aa%e5%a3%81

画像元:肘折いでゆ館・カルデラ温泉館

私は山形生まれなので、行ったことはなくても肘折の名前は知っていました。

祖母は近所の友人らと、よく湯治に肘折へ出かけていました。

肘折へは車で向かいましたが、崖から落ちるような山道を抜けたところに広がる温泉地でした。

温泉街には新しい旅館もありますが、ほとんどは狭い道をはさんで軒を連ねる古い旅館です。

OLYMPUS DIGITAL CAMERA

画像元:フォト蔵

私が泊まった宿も古いつくりで、廊下や階段を歩くとギシギシと懐かしい音がしました。

お部屋はシンプルで、冷蔵庫は各階で共用、洗面所やトイレも男女共用です。

お風呂場は男女共用の小さいものが二つあり、男性と女性どちらが入っているのか分かるように、浴室前に「男性入浴中」というような立て札が置かれていました。

私も立て札を立てかけ入浴しましたが、誰とも一緒にならずのんびり入れました。

OLYMPUS DIGITAL CAMERA

画像元:フォト蔵

食事は部屋でいただくスタイルで、地元の食材を使った体に良さそうな郷土料理を、たいへん美味しくいただきました。

夜は暗い廊下に蚊取り線香が置かれ、歯磨きや、冷蔵庫にものを取に行く際に他のお客と挨拶を交わしたりすると、なんとも懐かしく贅沢な時間に感じられました。

160507_1913

肘折朝市の山菜尽くし。ボウナ コシアブラ タラノメ 山わさび アケビなど   画像元:フォト蔵

肘折温泉には、冬をのぞいて毎日開かれる朝市という名物があります。

私が泊まった宿は、朝市会場の正面だったので、早朝5時にはバタバタとにぎやかになり、外を覗くと、地元の人や湯治客と思われる人、観光客らが入り混じってにぎわっていました。

以前宿泊したことのある祖母が、部屋の中に人がいるのかと思ったと、朝市のことを言っていましたが、それが分かる近さでした。

地元のおばあちゃんたちが地べたに座り、採れたての野菜や山菜、手作りのおむすびなどを広げ、お客を呼び込んでいました。

昔は湯治客のおかずとして売られていたそうですが、今はお土産として買っていく人が多いそうです。

今でもこんな風景が残っているんだと嬉しくなり、心が温まりました。

%e8%82%98%e6%8a%98%e6%b8%a9%e6%b3%89%e6%9c%9d%e5%b8%82

肘折温泉朝市

温泉街で足湯に浸かっているときに、そこのご主人にスイカをごちそうになり、印象深い話を聞きました。

ある団体一行が来たときに、ここは出迎えも見送りもなくて、もてなしができていないと言われたそうです。

「ここは湯治場として残してきてるから、そういう贅沢な旅がしたい人には物足りないんですよ、このひなびた感じが良いって言ってくれる人でないとねえ」とご主人は言っていました。

たしかに、きれいさや行き届いたおもてなしを求める人には向いてないと思いますが、私は心温まるゆったりとした贅沢な時間を肘折で過ごせました。

素朴でひなびた雰囲気が好きな人には、ぜひおすすめしたい温泉です。

画像元:肘折いでゆ館・カルデラ温泉館

 

 

 

 - 旅行

スポンサードリンク



スポンサードリンク



Message

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください

  関連記事

函館の三大市場は 朝の観光スポット

函館には「函館朝市」、「はこだて自由市場」、「中島廉売」と、3つの大きな市場があ …

震災から4年が過ぎた東北へ家族4人で旅行

東日本大震災から4年が過ぎ、震災への支援として被災者の人が一番喜ぶのは何だろうと …

忘れられないフェリー北海道旅行

数年前の10月のことです。 数年ぶりにフェリーを使って北海道へ旅行をしました。 …

ガリンコ号Ⅱ 流氷を砕きながら突き進む 2016

ガリンコ号Ⅱは、「ネジを廻すと前に進む」ねじの原理を利用したラセン型のドリルを、 …

佐賀県の武雄市 地味でもそこには日本の原風景が!

地味であまり知られていない佐賀県ですが、福岡県と長崎県そして玄界灘と有明海に挟ま …

ふたつ目の故郷となった愛知県の魅力

私は名古屋市に約2年間住んだことがあります。 関東出身ですが、名古屋市に一人暮ら …

日本のシャングリラ“鳥取”

何で山陰なの? 自身も家族も家庭環境を変える必要があり、引っ越し先を検討していた …

福岡市内を中心にデート感覚で満喫する旅

博多駅を中心に賑わう福岡市は、初めて訪れた人はもちろん、何度訪れても目新しいもの …

昔の姿を今に残す 別府鉄輪温泉(かんなわおんせん)

温泉県大分の中でも、そして全国でも有名な温泉地が別府温泉です。 おすすめの別府温 …

ジャンプ場を駆け上がる Red Bull(レッドブル)400

  5月21日、札幌市の大倉山ジャンプ競技場で、Red Bull(レッ …