「星の砂」はサンゴの棲むきれいな海に棲んでいる
2025/05/13
星の砂は、海の原生生物である有孔虫の殻が星の形をした砂状に堆積物したもので、星の砂を成す殻はサンゴと同じ炭酸カルシウムから出来ています。
岩石の風化などで出来る一般の砂とは異なります。
海の有孔虫は単細胞生物で、殻に孔持ち、その孔から糸状の管を出して食物を採ったり、糸状の足を出して移動したりします。
そして海面を漂いながら生きています。
有孔虫の死後、いったん殻は海底に溜まりますが、次第に浜に打ち上げられ星の砂になります。
星の砂の分類
■バキュロジプシナ
「ホシズナ」の名を持ち、星の砂の主要をなします。
殻には不規則な突起があり、星形状をしています。
突起のトゲが出来るメカニズムはわかりませんが、幼年期から既に殻に突起があり、そのまま成長します。
有孔虫に特徴的なラセン状の室形成の後、突起部を含む殻の全面を覆うようにドーム状の室が形成され、このような殻成長の結果、特徴的な星型が形作られます。
大きさは1~2mm程。
殻の孔はほとんど4.4ミクロン程度。

画像元:バキュロジプナスの殻
■カルカリナ
バキュロジプシナと比べて中央部が球に近く、また突起の先端が丸みを帯びている事から、「太陽の砂」と呼び分けられる事もあります。
生態はおおよそバキュロジプシナと同じですが、異なる点は無性世代は有性世代と比較して突起の数が多く、時に分枝します。
大きさは1~3mm程。
殻の孔は3~20ミクロン(4.4ミクロンが最多)。

画像元:カルカリナの殻
星の砂の分布
西太平洋の熱帯〜亜熱帯域など、サンゴ礁が広がる地域に分布しています。
日本の南西諸島、特に沖縄県側に多く、西表島の「星砂の浜」、竹富島の「太陽の砂」など有名です。
海外ではグアムのリティディアンビーチの星の砂が有名ですが、南太平洋でも西側に位置するツバル、フィジー諸島、ミクロネシア、パラオ、ニューカレドニアなどサンゴ礁の分布している地域でも星の砂がみられるようです。
中央太平洋やハワイ諸島ではみられません。
採取する
浜によっては採集が禁止されているところもありますが、それは集中的に堆積した場所からの大量採取のことで、そのような場所も少なくなっているようです。
昔は星砂で敷き詰められた浜も、今では一つ一つ見つけるのも大変、少量ならば根気よく砂中を探すと見つかりますので、体験探しもいいかもしれません。
殻は炭酸カルシウムで出来ていますので、そのトゲも長くは持たず擦り減って丸みを帯びて、いずれただの殻砂になるでしょう。
些細な自然態系の変化などあっても、堆積場所が変わったり星の砂の増減もあるかもしれません。
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