ミノムシの糸は自然界最強の繊維だった
2025/05/15
小枝にぶら下がっているミノムシは、ミノガの幼虫が糸を吐いて蓑状(ミノ状)の筒の巣をつくってその中に住むので蓑虫(ミノムシ)と呼ばれています。
筒のような巣は、枯葉や小枝をつづり合わせて作ったもので、中の幼虫は木の葉などを食べて冬を越し,初夏に成虫になって現れます。
その成虫がミノガと呼ばれている蛾の一種です。
その中でも、一般的に成虫「オオミノガ」の幼虫をミノムシと云われることが多いようです。
成虫になると身体中こげ茶色い毛で覆われた蛾になります。
これまで、自然界最強の繊維は「クモの糸」と言われていました。
ところが、医薬品メーカーの興和と農研機構(農業・食品産業技術総合研究機構)が、ミノムシの出す糸が弾性率や破断強度など全てがクモの糸を上まわっている事を発見したと発表しました。
ミノムシの糸はタンパク質を成分とした繊維で、クモの糸に比べて耐熱性が340℃までと熱に対しては非常に強く、強度は約1.8倍、丈夫さも約2.2倍、細さは一般ナイロン糸の1/5、人間の髪の毛よりも細い0.01mmというスーパー繊維です。
このミノムシの糸を繊維強化プラスチックに組み込んだところ、従来の数倍の強度になったという研究から、これらの強度を応用して今後は自動車のボディーや航空機の機体、防弾チョッキなどにもミノムシの糸が使用されるとか。
また、カイコやクモの糸と違い、糸を採った後はミノムシを殺さずに複数回採糸できることも考えだされました。
ミノは外見が枯葉や枯茎、小枝などで覆われ外敵の視をあざむくためのカモフラージュ、その内側は粘性の糸を絡め袋状に敷きつめられ、見た目にも清潔そうで暖かそう。
実際、外は崩れそうでも中は快適住居なのでしょう。
雄も雌もミノを作ってその中に住みますが、雄はフカ後羽化してミノの下を破り、外へ体を出し雌をもとめて飛びたちます。
でも口は退化していて食することはありません。
その雄はミノの中の雌をみつけ、交尾をした後は死んでしまいます。
雌はフカ後、羽化せず産卵するためにのみミノの中で暮らし、交尾後は1千個以上の卵を産卵し、孵化(フカ)する頃にはミノの下から出て地上に落下して死にます。
フカした幼虫たちはミノの下から糸を垂らして外に出て、風に乗って分散され、木の小枝などにひっかかりしながら新たなミノを造っていきます。
ミノムシの哀れで切ない一生ですね。
日本には全国に約20種は生息していて、羽を開くと10mm以下~40mm位の大きさ。
夜の街灯に集まってくる嫌な「ガ」ではないようで、夜や外灯などに飛び回わることは少なく、昼間にメスを求めて飛びまわることが多いようです。
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