広島の忠海(ただのうみ)で過ごした子ども時代
2017/11/30
広島は私にとって、思い出の土地です。
父の実家があったので、12歳になるまで、夏と冬の休みのどちらかには必ず1~2週間滞在しました。
修学旅行でも行きましたし、新婚旅行も広島を選びました。
現在私は埼玉県に住んでいるので、中々広島に行くことは出来ませんが、父の実家があった小さな町とそこで過ごした日々を回想してみました。
◇
父の実家があったのはJR西日本・呉線の忠海(ただのうみ)と言う小さな駅から歩いて5分程の場所にありました。
駅の近くでしたが、静かな場所でした。
庭の土も白い砂が混ざっていて、どこも日当たりの良い所、と言う印象でした。
海まで歩いて5分か10分だったと思います。
滞在中は毎日海水浴でした。
テレビも3局くらいしか映らなかったので、今思うと贅沢でしたが、私は毎日退屈でした。
インドア派だった私は、海水浴はすぐに飽きてしまったのです。
たまには気分を変えようと、船に乗ってわざわざ別の浜まで海水浴に出かけたのを、覚えています。
数年前に母に訊いてみると、出かけたのは大久野島だったそうです。
今はうさぎの繁殖で有名ですね。
または旧日本軍の毒ガス工場があったことでも知られています。
今大久野島がテレビの情報番組で取り上げられると、私まで嬉しくなります。
忠海も大久野島も、瀬戸内なので波は穏やかで、綺麗な海でした。
運動神経の良くない私でもいつまでもプカプカ浮いて遊んでいられるような海でした。
初めて関東近郊の海に行った時、あまりにも汚れているので、入るのをためらってしまった程です。
父の実家にはお風呂は無かったので、ご近所にお風呂を借りに行ったものです。
これを貰い風呂と呼んでいました。
今から40年ほど前のことで、まだ五右衛門風呂がありました。
当時の私にとっても珍しいお風呂でした。
今となっては貴重な体験をしたと思っています。
忠海には銭湯など無かったのでしょう。
私の祖父は死ぬまで貰い風呂をしていたのですから、本当にのんびりした土地だったなと思います。
ご近所と言えば、忠海の奥さんたちは皆昼間はパート勤めに出ていました。
忠海にはジャムのメーカー、アヲハタの工場があったのです。
お昼になると工場のサイレンがなって奥さんたちが続々と家に帰ってきていました。
埼玉に帰る時にはお土産にジャムの大瓶を貰ったりしていました。
父も母も亡くなった今、ジャムのラベルの広島県竹原市忠海の文字を見て、子ども時代を懐かしんでいます。
広島市内が大都会なのに比べると、電車で1時間近くも離れた忠海(ただのうみ)は田舎と言うイメージがありますが、のどかで綺麗な街だと思います。
またこれも大人になってからドラマを観て知ったのですが、平清盛の父、忠盛が忠海の名前の由来だそうです。
とても由緒のある街だったのですね。
歴史を知ってから行ってみれば、色々と発見があるかも知れません。
子ども時代に優しくしてもらったためなのか、私は広島弁も懐かしいのです。
目一杯観光を楽しむと言うよりは、ゆっくりと滞在してその場所の空気まで楽しむのが忠海には合っていると思います。
少し足を伸ばせば、尾道などの観光地もありますし、楽しみ方は色々あると思います。
新婚旅行に広島に行ってからすでに25年たし、また広島、特に忠海に行きたいと思っています。
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