東京麻布七不思議を歩いてみましょう
2025/08/05
麻布七不思議(あざぶななふしぎ)とは、東京都港区麻布一帯に伝わる七つの不思議な物語のことです。
物語は7つ以上存在しますが、7つの組み合わせには諸説あります。
不思議な物語と言うよりは、創られた昔話的伝説です。
麻布山善福寺 上空港区ホームページ
港区ホームページ/「麻布七不思議」-江戸と今(1)
港区ホームページ/「麻布七不思議」-江戸と今(2)
1.柳の井戸
麻布山善福寺の境内の柳の根元から湧いている「柳の井戸」は、人間がくみ上げなくても、水が自然と地表に湧き出してくる自噴の井戸のことです。
弘法大師が柳の木の下で杖を立てたら、湧き出してきたという伝説が残っています。
東京の名水にも選ばれています。
住所: 東京都港区元麻布1-6-21
2.逆さ銀杏
麻布山善福寺の境内にある大銀杏は、親鸞上人が京都への旅の途中に立ち寄った折、持っていた杖を地にさしたところ、杖が芽吹いて成長したといいます。
つらら状の枝が上から何本も垂れ下がって、根が上にあるように見え、そこから「逆さ銀杏」とも言われます。
樹齢約750年、樹高約20m、幹周り10.4mの大銀杏は都内最古として、国の天然記念物に指定されています。
3.狸穴(まみあな)の古洞
江戸時代は、現在の東麻布、麻布台辺の地名を狸穴(まみあな)と呼ばれていました。
このあたりは、勾配の急な坂や生い茂った草や竹林に覆われていて、古洞があり、狸が棲むのに相応しい場所でした。
昔は狸に関わる事件、うわさ話など多かったと思われます。
麻布狸穴町(麻布十番方面へ一方通行通り、写真前方は北方向で麻布郵便局方面)
4.広尾の送り囃子
広尾町から富士見町一帯を昔は広尾ヶ原と云われていて、初秋のある秋の晩、広尾ヶ原を歩くとどこからともなくお囃子の音が聞こえてきたそうです。
お囃子の音がしだいに近づくようで、付近で聞こえるほど近付いたかと思うと、にわかに遠ざかり、やがて何も聞こえなくなったといいます。
外苑西通りを西麻布、青山方面に向かう(左側は広尾、右側が麻布)
5.蟇池(がま池)
江戸時代、旗本・山崎主税助治正の屋敷の敷地内に大きな池がありました。
ある夜、家臣が池の中の巨大なガマに殺されてしまいます。
治正は怒りガマ退治をすることにしました。
その晩、治正の夢枕にガマが現われ、家臣を殺したことを詫び、今後山崎家の屋敷を守ると誓いました。
治正がガマを許したその後、1821年の大火などでは山崎治正の屋敷のみが類焼を免れ、度々あった火災も、池の主である大ガマが口から水を吹きかけてもらい火を防ぎ、山崎家の屋敷を守ったという伝説があります。
旧山崎邸のガマ池は、明治以降東京の名所でしたが、昭和初期に埋め立てられ、現在はマンションの敷地内にその一部が残っています。
住所: 東京都港区元麻布2丁目10がま池
ガマ池上空
6.長坂の脚気石(ながさかのかっけいし)
江戸時代、永坂の坂上に「脚気石」と呼ばれる石があり、塩を供えてお祈りすると、大変霊験があったようです。
明治時代にこの大きな自然石は、工事の邪魔になるため取り除こうとしましたが根が深く、いくら掘っても取り除けませんでした。
上部は取り除かれましたが、根はまだに土中にあると言われています。
永坂(長坂)は、麻布永坂町の町名の起源となった坂で、港区麻布永坂町と六本木5丁目とのあいだを北から南に下る長い坂でした。
現在は飯倉片町交差点(外苑東通り)から麻布十番・一の橋交差点まで下る東京都道(東京都道415号高輪麻布線)となっていて、道は首都高速都心環状線の高架橋に覆われてしまっています。
外苑東通りを飯倉に向かい、六本木五丁目の交差点の信号を100m程過ぎた辺に、尺あまりの大石が通りの真ん中に隆起していたようです。
左手駐車場辺りが長坂の脚気石があった所(前方に六本木五丁目の交差点を臨む)
7.一本松
源経基がこの松のそばの民家に宿をしたといわれる伝説や、京から来られた高貴な方が、ここで亡くなり衣冠と共に埋葬したことから「冠の松」と呼んだという伝説など、松にいつわる伝説がいくつも残されています。
○ 源経基止宿説
○ 麻布氷川神社のご神木説
○ 呪いの松説
○ 松の宮埋葬説
○ 徳川家康植樹説
○ 首塚説
○ 秋月の羽衣の松説
○ 甘酒快癒伝説
など諸説あります。
現在の松は、3代目の植えつぎが残されたものとの事ですが、それ以上の植継がれているという説もあります。
一本松坂は港区元麻布1丁目と2丁目の間を北東から南西へ上る坂道入口で、左手に長伝寺が見え、麻布十番の大黒坂、暗闇坂、狸坂の3つの坂が交わった所にあります。
住所: 東京都港区元麻布1丁目2
中央左手寄りに一本松が見えます
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