超光速航法する未来の宇宙船
2023/11/03
「ワープする」とか言う言葉、SF物のテレビドラマ、映画などでよく耳にすると思います。
ここではむずかしいことは省いて、高度に空想された宇宙大作戦(スタートレック)などの映画や科学小説に表される、宇宙船の超光速 ワープの実態を紹介します。
アインシュタインの相対性理論と空想理論をもとに、未来の宇宙船での旅にでます。
「ワープ」とは、空想科学小説や映画などで使われる「超光速航法(FTL航法)」のこと。
「ワープ」の意味は「歪める」ことです。
アメリカでは1966年からの「スタートレック」、日本では1974年のアニメ「宇宙戦艦ヤマト」などで良く知られるようになりました。
日本では、これらアニメなどの影響で本来の「歪める」から離れて、超光速航法やテレポーテーション(瞬間転移)のことを「ワープ」と呼ぶようになります。
ワープの分類
1.空間歪曲型ワープ
2.通常推進型ワープ
3.並行宇宙型ワープ
1.空間歪曲型ワープ
「宇宙戦艦ヤマト」で見られるワープで、宇宙空間内のある点から別のある点へ移動する際に宇宙の「外」へ飛び出して近道をするのがこのワープです。
「紙を折り曲げて紙上の1点をもう1点にくつけさせる」は、一般的に説明されることですね。
紙を折り曲げるように宇宙空間そのものを歪曲させて、現在位置と目的地を4次元的に近づけます。
「宇宙戦艦ヤマト」の場合、宇宙空間が初めから4次元的に曲がっていると想定していて、ワープを繰り返すことで「宇宙戦艦ヤマト」は14万8千光年彼方の惑星イスカンダルまで半年で行ってしまいます。
このワープには、空間の歪みを利用しない瞬間移動型を「リープ航法」「ジャンプ航法」といい、高次元空間から空間移動するものを「ハイパー航法」といいます。
ドラえもんの「どこでもドア」は、四次元空間を通り三次元空間に到達するハイパー航法です。
次元を使うことで旅の所要時間を短縮させています。
2.通常推進型ワープ
「スタートレック」のワープドライブは光速の数100倍の速度で宇宙空間を移動するワープです。
相対性理論によると、この宇宙空間のあらゆる物体は光速を超えるスピードを出すことができません。
もし加速を続けた場合、その物体の質量は速度が光速に近づくほど無限大に増え続け、さらに時間の遅れが生じるという非日常的な現象が発生します。
そこでスタートレックでは、亜空間(サブスペース)という架空の電磁場のようなものを設定して、亜空間の内部では物質の質量は逆に小さくなるという、相対性理論に反したゆがめた設定をつくっています。
亜空間の電磁場(亜空間フィールド)を人工的に発生させたものをワープフィールド呼ばれます。
宇宙艦の翼から発生させたワープフィールドは艦を包み込み、包み込む亜空間(異なる空間)の泡ふうせん内は進行方向に船体前方空間の収縮、後方でも船体後方空間の膨張を発生させることで推進力を得てついには光速を突破する速度に達します。
スタートレックの宇宙艦は、光速の数100倍の速度で宇宙空間を進み、この時ワープフィールドが宇宙空間を歪ませながら推進するため、ワープドライブという名がつきます。
スタートレックではワープ速度の単位として「ワープファクター(ワープ係数)」という単語が使われました。
ワープ係数は宇宙艦が発生させるワープフィールドの数によって、その速度が10/3乗ずつ加速します。
ワープフィールドは同時に9層までしか発生させることができず、ワープ10は「あらゆる場所に同時に存在する無限大の速度」として不可能領域となっています。
しかし、ワープフィールドを多重に発生させるほど艦のスピードは上がりますが、同時にワープエンジンの負担もいちじるしく増加していくのです。
おもしろいことに、係数の小数点以下の数字が大きくなればなるほどエンジン負担は大きくなるため、ワープ1.9での航行よりワープ2での航行のほうがパワー消費は少くてすみます。
スタートレックに登場する24世紀後期の惑星連邦艦でよく用いられる巡航ワープ速度は、通常時はワープ5~6、緊急時はワープ9で巡航されてます。
最高速度は、「U.S.S.エンタープライズNCC-1701-D」はワープ9.6の速度を12時間維持可能で、惑星連邦艦最速の「U.S.S.ヴォイジャーNCC-74656」はワープ9.975の速度を数時間維持できます。
<ワープファクター>(24世紀のスタートレックの場合)
ワープ1(光速の1倍)
ワープ2(光速の10倍)
ワープ3(光速の39倍)
ワープ4(光速の102倍)
ワープ5(光速の214倍)ヘカラス条約による制限速度
ワープ6(光速の392倍)
ワープ7(光速の656倍)
ワープ8(光速の1024倍)
ワープ9(光速の1516倍)
ワープ9.2(光速の1649倍)
ワープ9.6(光速の1909倍)「U.S.S.エンタープライズNCC-1701-D」の最高速度
ワープ9.9(光速の3053倍)
ワープ9.975(光速の5754倍)「U.S.S.ヴォイジャーNCC-74656」の最高速度(旧ファクターではワープ18)
ワープ9.99(光速の7912倍)
ワープ9.9997(光速の198696倍)亜空間通信速度
ワープ9.9999(光速の199516倍)亜空間通信速度(ブースターリレー使用時)
ワープ10(∞)無限の速度
<旧ワープファクター>(22,23世紀のスタートレックの場合)
旧ワープ1(光速の1倍)
旧ワープ2(光速の8倍)
旧ワープ3(光速の27倍)
旧ワープ4(光速の64倍)
旧ワープ5(光速の125倍)22世紀の「エンタープライズNX-01」の最高速度
旧ワープ5.2(光速の140倍)「エンタープライズNX-01」の最高到達速度
旧ワープ6(光速の216倍)
旧ワープ7(光速の343倍)
旧ワープ8(光速の512倍)
旧ワープ9(光速の729倍)23世紀の「U.S.S.エンタープライズNCC-1701」の最高速度
旧ワープ10(光速の1000倍)
旧ワープ14.1(光速の2803倍)「U.S.S.エンタープライズNCC-1701」の最高到達速度(24世紀式だとおよそワープ9.7)
(※真空中における光速値は 299792.458km/s)
50光年の距離を移動するのに、通常のエンジン全開で200年、ワープ6で47日、ワープ9でも12日かかります。
ワープ6の速度でも1年間で392光年しか進むことができません。
天の川銀河は直径10万光年、「スタートレック」での惑星連邦内の統治範囲は8000光年四方もあります。
「ドラゴンボール」での宇宙船も、このFTL技術で航行しているようです。
地球からナメック星まで、地球の宇宙船では4339年と3か月が必要ですが、ブルマ、悟飯、クリリンが使ったナメック星の宇宙船は、ナメック星まで34日で到達、サイヤ人のボール型宇宙船を改造した悟空の宇宙船は6日で到着することができます。
3.並行宇宙型ワープ
今の宇宙空間から、時空の異なる別の並行宇宙へ移動し、また元の宇宙空間へ戻る方法で、各空間の時間の流れが異なるため、瞬間移動したように見えます。
宇宙空間に存在する空間の穴、ワームホール(虫食い穴)を利用することで、はるかに離れた場所に一瞬で移動する超光速移動を「ワームホール型ワープ」と呼ばれます。
その穴をブラックホールとし、ブラックホールに入りホワイトホールから出るという空間移動する航法です。
画像元:youtube
「スタートレック」の「スタートレック:ヴォイジャー」では、地球から7万5千光年かなたのデルタ宇宙域深部に漂流してしまった「U.S.S.ヴォイジャーNCC-74656」が、帰還を早めるためにワームホールを探し続けます。
95話では2千光年に渡って星がひとつもない暗黒領域内で、その領域を一気に飛び越える「渦」を発見、その利用に成功しました。
130話で、マイクロワームホールを一時的に作り出し、それを利用して3万5千光年離れた位置にいるヴォイジャーへの通信手段を創り出します。
引用元:Wikipedia
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