不思議で怪奇な3階建てお堂建築物 「会津さざえ堂」
2025/08/04
正式名称は「円通三匝堂(えんつうさんそうどう)」といいます。
福島県会津若松市の、白虎隊のお墓のある飯盛山の中腹に建っている、栄螺堂(さざえどう、さざいどう)は、江戸時代後期に建てられた特異な建築形式の仏堂です。
堂内はラセン回廊になっていて、順路に沿って三十三観音や百観音などが置かれ、回廊を進むと巡礼がかなうというお堂です。
右回りに三回めぐることで参拝できることから、別名「三匝堂」(さんそうどう)といいますが、「三匝」とは“3回転”という意味で、構造や外観がサザエに似ていることから通称は「サザエ堂」と呼ばれています。
とぐろを巻くような屋根が、異様な雰囲気を発し、室内は二重ラセン構造の斜路で出来ていて、外観も室内も怪奇で不思議な建物として知られています。
一辺3.4メートルの六角形の建物で、三層構造(三階建て)、堂内中央部に6本の通し柱を立て、建物外周に立つ柱も6本の通し柱で、中央柱との間には梁を掛けた構造になっています。
内部の斜路を右回りに上る斜路と左回りに下りる斜路が別々につくられ、入口から斜路を最上階まで上り、降りる人とすれ違うことなく、同じ方向に出口まで降りていくことが出来ます。
観音札所(西国三十三番、坂東三十三番、秩父三十四番の百ケ寺)の百体の観音様は、順路に沿って1体ずつ拝観しできるようになっていて、
堂内の手すりをつたわり、入り巡らされた斜路や階段、太鼓橋などを歩き、その壁、天井には千社札が貼りめぐらされています。
一度も同じ場所を通らずに1階から3階までの空間内ですべての観音像を謹んで観覧することができ、最上部の天井は折上げ鏡天井です。
この奇異なる構造は、異次元に入った趣に駆り立てられ、誰もが驚きと好奇心とで感嘆せずにはいられません。
さざえ堂は他にもありますが、旧正宗寺三匝堂のような極特異な内部構造をもった堂は他に知られず、稀に見る珍しい例として1995年に国の重要文化財に指定されました。
(重要文化財指定名称は「旧正宗寺三匝堂」といいます)
[住 所] 福島県会津若松市一箕町八幡弁天下1404 [拝観料] 大人400円、高校生300円、小中学生200円
最初のさざえ堂は江戸中期に、江戸本所羅漢寺に建てられましたが、以後、東北~関東地方にいくつかの類似するさざえ堂が建築され、今でもいくつかのさざえ堂が残されています。
現存する栄螺堂
・弘前禅林街の栄螺堂(青森県弘前市)
・長禅寺 三世堂(茨城県取手市)
・曹源寺 本堂(群馬県太田市)
・成身院 百体観音堂(埼玉県児玉町)
・總持寺(西新井大師)三匝堂(東京都足立区)
・大正大学 すがも鴨台観音堂(東京都豊島区)
・夢かなうぶんぶん堂(大分県大分市)
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