国際宇宙ステーションと宇宙での生活と疑問質問
国際宇宙ステーションは、アメリカ合衆国、ロシア、日本、カナダ及び欧州宇宙機関 (ESA) が協力して運用している宇宙ステーションです。
地球及び宇宙の観測、宇宙環境を利用した様々な研究や実験を行うための有人施設です。
地上から約400km上空を秒速約7.7km(時速約27,700km)で、地球を約90分で1周、1日で約16周します。
ステーションの電力源は、太陽光を電気に変換する太陽電池です。
太陽電池パドルは、太陽エネルギーを最大にするために、常に太陽を追尾できるようつくられています。
当初の運用期間は2016年までの予定でしたが、アメリカ、ロシア、カナダ、日本は少なくとも2024年までは運用を継続する方向です。
「提供:宇宙航空研究開発機構(JAXA)」
国際宇宙ステーションの詳細
打上げ日時 1998年–2011年
質量 344,378 kg
全長 73 m (240 ft)
全幅 108.5 m (356 ft)
全高 約20 m (約66 ft)
乗員数 6人
居住空間 約373 m³
最低高度278 km、最高高度460 km
平均速度 27,743.8 km/h
気圧 101.3 kPa (29.91 inHg)
日本初の有人実験施設「きぼう」
日本実験棟「きぼう」は、国際宇宙ステーション(ISS)の中で、最大の実験モジュールです。
船内実験室と船外実験プラットフォームの2つの実験スペースからなり、船内実験室は長さ11.2m、直径4.4mの大きさで、内部は1気圧に保たれており、宇宙飛行士は普段着でISSの他のモジュールと行き来をすることができます。
宇宙での生活
食 事
宇宙食はプラスチックの容器に入っていて、水やお湯を加えて元にもどすもの、オーブンで加熱することができるものなどがあります。
果物やパン、ナッツなどそのまま食べる物もあります。
飲み物など液体を飲むときは、パックからストローで吸います。
国際宇宙ステーションでは、約300種類のメニューが用意される予定です。
洋 服
スペースシャトルの船内は、地上と同じ1気圧に保たれていて、快適に生活できるように温度や湿度が調整されていますので、地上と同じ服装で生活しています。
スペースシャトルの中で洗たくはできないので、下着は毎日着がえる分を持っていきます。
宇宙服は、宇宙放射線や真空状態など、人間がそのまま生活するにはきびしい環境から宇宙飛行士を守るための、いろいろな機能を持った高性能スーツです。
おふろ
手や顔のよごれを取りたいときは、アルコールでふくか、液体石けんをふくませたぬれたタオルでふきます。
髪を洗う時は、船内にあわが飛び散らないように、水を使わずに洗えるシャンプーを使います。
洗い終わったら、かわいたタオルでふき取っておしまいです。
体のよごれは、ボディシャンプーをふくませたぬれたタオルでふくだけです。
トイレ
奥行き1m、幅約1mの広さで、男女共同で使います。
形は地上の洋式トイレと似ていて、ちょっとした仕かけがあります。
体をうかないように固定して、そうじ機のような機械で吸いこみ、そのあと排泄物を真空にして乾燥させてしまうのです。
ドアはなくカーテンで仕切られているだけです。
体がういてしまう状態で直径10cmくらいのトイレの吸いこみ口に正確に座るために、地上ではカメラ付きの訓練装置でトイレを使う感覚を訓練します。
睡 眠
無重量の世界では上下の区別がありませんから、宇宙飛行士はどこでもどんな向きでも寝ることができます。
寝ている間にふわふわとどこかに飛んでいっては困りますから、スペースシャトルでは小さい寝室や寝袋を使い、体がうかないように軽くしばって寝ます。
睡眠時間として約8時間ありますが、作業が長引いたり、窓の外の景色をながめていたりして、実際の睡眠時間は約6時間くらいが多いそうです。
運 動
宇宙では、重力が作用しないので筋肉や骨が弱くなるといった悪い変化を体にあたえます。
そのためには適度な運動が必要で、宇宙飛行士は運動器具を使って、毎日2時間程度の運動をします。
体をゴムバンドでおさえつけた状態でランニングをする器具や、車輪のない自転車のようなもので、ペダルをこぐ強さを変え、運動量を調節します。
掃 除
宇宙飛行士たちは仕事の合間に、食事をする場所のそうじ、空気清浄機のフィルタ交かん、ゴミの収集、壁や床の掃除をします。
掃除には液体の洗剤、使いすてのプラスチック製手ぶくろ、掃除以外にも使えるふきんと掃除機を使います。
方法は、洗剤をスプレーしてふきんでふき取ったり、そうじ機でゴミを吸い取ります。
集めたゴミや使い終わった手ぶくろなどは、地球へ持ち帰ります。
娯 楽
宇宙飛行士たちは、自分だけの持ち物をいくつか持っていくことができます。
自分の好きな本を読んだり音楽を聞いたり、地上と同じような趣味の時間を過ごすことができます。
国際宇宙ステーションでは、DVDソフトの映画を見たり、家族と週に1回、電話で話したりもできます。
病 気
スペースシャトルの宇宙飛行士たちはそれぞれ作業担当が決められていて、くわしい訓練を受けています。
救急医療についてもクルー・メディカル・オフィサーという担当がいます。
ふつうの応急処置だけでなく、傷口をぬい合わせたり、注射もできるように訓練されています。
心臓が止まった時の救急蘇生術は宇宙飛行士全員が訓練を受けます。
聞きたい疑問、質問集
○無重量ではガラスのコップに入れた水はどうなる
宇宙では、飲み物はストローで飲みます。
無重量では、水は濡れやすいガラスをどんどん濡らそうとしますので、結果的に水はガラスの壁を上って、コップの外にはい出してしまいます。
宇宙では、水やジュースなど全て密閉した容器に入れておき、ストローで飲みます。
○無重量では手についた水はどうなる
空中に浮かんでいれば表面張力で丸く球状になりますが、皮膚に付くと、皮膚は濡れやすい性質を持っているので、水は皮膚を濡らそうとどんどん薄く広がっていきます。
コップ一杯分の水でも顔に付くと、顔中に広がって、鼻の穴にも入り込んで、窒息する危険があります。
○食事をするとき食べ物はみな浮いてしまわないの
最近の宇宙食は缶詰(かんづめ)やレトルト食品が主流です。
これら水分を含んだ食物は、ねばりけがあるためスプーンにくっつき空中にただようことはありません。
○ISSの中では上下の区別はあるの
ISSの中は当然無重量ですから、上下の感覚はありません。
かべの計器類や表示ラベルなどがバラバラの向きでは使い勝手が悪いので、上下を定めています。
その方法は、照明がある方が上、青い線を引いた方を下と決め、目で見て上下がわかるようにしています。
○宇宙写真を見ると太陽があるのに真っ暗なのはなぜ
空気の層が青く見える 地上では、太陽が出ている昼間は明るくて、太陽が沈んでいる夜は暗いですね。
宇宙では、太陽が出ていてISSやスペースシャトルが明るく照らされていても、背景の宇宙空間は真っ黒です。
私たちが物を見ることができるのは、光が当たってそれが反射して目に届くからです。
宇宙空間はほとんど何もない真空なので反射する物がなく、光はまっすぐ通過して行ってしまいます。
ですから、私たちの目に戻ってくる光がないので、宇宙空間は黒く見えるのです。
地上では空気があり、空気の小さな粒(分子)に太陽の光が当たりそれが様々な方向に反射するので、空が明るく見え、このとき青い光が一番あちこちに反射するので、空は青く見えるのです。
○空と宇宙の境目はどこ
地表からはるか宇宙空間まで無段階につながっているので、どこからが宇宙という境は実はありません。
そこで一般的には空気がほとんど無くなる100kmから先を宇宙としています。
○ISSと流れ星の見分け方
ISSや人工衛星は、夜中には見ることができませんが、朝方や夕方に1等級以上の明るい光の点がスーッと通っていきます。
流れ星は、明るい光の点が通っていきますが、見えている時間が短く一瞬で消えてしまいます。
「提供:宇宙航空研究開発機構(JAXA)」
宇宙の輪
http://iss.jaxa.jp/kids/link/link.html
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