ビタミンCには「還元型」と「酸化型」があって、「きゅうり」や「にんじん」などに含まれるアスコルビナーゼには、還元型ビタミンCを酸化型ビタミンCに変えるはたらきがあるといわれています。
でも、アスコルビナーゼは還元型ビタミンCを酸化型ビタミンCに酸化させるだけで、体内に入るビタミンCの総量は変わらず、ビタミンCの破壊はありません。
しかも、体内では酸化還元反応がおこり、酸化型ビタミンCも還元型ビタミンCとして存在しています。
といっても、酸化したビタミンCの摂取は、体にとっていい作用を及ぼしません。
それは還元型ビタミンCが酸化型ビタミンCに変わるときに、活性酸素が発生するからです。
酸化とは物質が酸素と結びつくこと、食材なども酸化すると香りの低下や腐敗などが進み、金属などは酸化して錆び付いたりしますね。
人体も同じで、ビタミンCを含む食材とアスコルビナーゼを含む食材が空気中の酸素とともに体内に入って、活性酸素という物質を発生させます。
この活性酸素がくせもので、血管や内臓など人の体に悪影響を与えるのです。
活性酸素はストレスや睡眠不足など生活上でも発生しますが、食材の食べ方によっても発生するのです。
活性するとは、不安定な作用を活発化させる状態を指します。
体の細胞までもが活発に酸化をさせるため、人の体にも大なり小なりの影響を与えてしまいます。
野菜や果物のなかで、人参、きゅうり、りんご、バナナなどが、ビタミンCを破壊してしまうアスコルビナーゼを多く含んでいます。
アスコルビナーゼを含む食材は、単品で食べればビタミンCに変化はありませんが、他の食品と一緒に切ったり、すりおろして一緒に食べると、ビタミンCを酸化型ビタミンCに換えてしまい、いわゆる壊すといわれています。
特にアスコルビナーゼは、すりおろすと細胞が破壊され、時間がたつにつれてどんどん酸化が進みます。
体に良いからと野菜や果物をいろいろ混ぜてジューサーミキサーなどで生ジュースを作っても、酸化型ビタミンCに変わってしまっては台無しです。
ビタミンCが一瞬にして酸化型ビタミンCに換わるわけではないので、時間をおかず早々に飲むと良いでしょう。
アスコルビナーゼは熱、酸に弱い
アスコルビナーゼは加熱したり、発酵(漬け物にする)させたり、酢や酸(クエン酸など)を加えたりすることで酸化作用を弱めたり止めることができます。
みかんやレモンなどの果物も酸化を抑えるのに効果的です。
熱に対しては、50℃~60℃くらいから酸化活性が抑えられ、70℃以上なるとほとんどビタミンCの酸化活性は止まり、アスコルビナーゼが働いていないと考えられています。(アスコルビナーゼの活性について より)
ビタミンCの多い食材と一緒に料理するときは、アスコルビナーゼを含んだ食材を必ず軽く下ゆでしてから使用するか、酢や酸などであえて食べるようにすると良いでしょう。
ビタミンCの特質
ビタミンCは、水溶性なので水に溶けやすく、野菜や果物をゆで過ぎたり、水にさらし過ぎたりすると流出してしまいます。
摂取されたビタミンCも、2~3時間で体外に排出されてしまうので、こまめに摂る必要があります。
ジュースなどは、野菜サラダを直接摂った場合よりも、排出速度が非常に速いようです。
体内で吸収されなかった余ったビタミンCは尿とともに排出されるので、過剰症の心配はありませんが、摂り過ぎると排出が追いつかず、下痢やシュウ酸結石、痛風などの症状も起こり得ますので注意が必要です。
ビタミンCを多く含む食材
(100g中の含有量)
・赤ピーマン170mg
・黄ピーマン150mg
・柚子150mg
・パセリ120mg
・芽キャベツ110mg
・レモン100mg
・ケール81mg
・ピーマン76mg
・ゴーヤ76mg
・柿70mg
・キウイ69mg
・赤キャベツ68mg
・モロヘイヤ65mg
・イチゴ62mg
・ブロッコリー54mg
・カリフラワー53mg
・金柑49mg
・カイワレ47mg
アスコルビナーゼを多く含む食材
濃縮還元ジュースなどは、加熱処理によって酸化するのでビタミンCは壊れてしまいます。
そのためビタミンCの表示のあるジュースには別途でビタミンCが添加されていますので、野菜や果物自体のビタミンCではないので参考に。
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