茶柱は、日本茶をいれたときに混じったお茶の茎のことで、番茶などによく見られます。
この茶柱が茶わんの中で縦に浮いた状態になることを「茶柱が立つ」と呼び、良いことが起こる前ぶれとして昔から言い伝えられてきました。
でも茶柱が立つことなど一生で何度も起こることはないものです。
私のように毎日お茶を飲み続けていても、1度も茶柱が立つ現象を見ることができません。
しかしこの現象もまれに起こるようで、それだからこそ何かが起こる期待が持てることもできます。
そして幸運を得るには3つほどの条件も付いています。
1.「茶柱が立った場合は、人に話さず知られずこっそりと飲み込む」
2.「茶柱が立ったことを人に話すとその人に幸運が移る」
3.「立った茶柱は着物の左袖に入れる」など
このような言伝えの始まりは、昔々、駿河のお茶商人が、売れ残こった二番茶を売りやすくするために「茶柱が立つと縁起が良い」と言いふらしたという話からきているそうです。
茶柱が立つには、まずは茶葉の中に茶の木の茎が混入してなくてはだめですよね。
ですから高いお茶よりも安価な番茶のようなものが茶柱は立ちやすいのです。
それに、急須の茶こしも、茎が通るように荒い目であることが必要になります。
茶柱の茎の状態にも条件があり、茶柱の一部分がスカスカのようにに空気が残っていなければなりません。
急須にお湯を入れるときの茶柱は乾燥していて全体的に軽い。
急須内で茶を出す間に茶柱の一部分にだけお湯がしみて、そこが重くなります。
そのため、釣りの浮きのように軽い方が上を向き茶柱が立つ状態になります。
科学的根拠から観るとけっこう有りそうにも思えますが…。
めったに起こる事もない事が起これば、昔の商人の吹聴から迷信といえども、それがいつやってくるのか、待っているのも幸せな気分になれるでしょう。
現代もまた商魂たくましく、茶柱が立つように茶柱を加工した茶柱が立つ専用のお茶も販売されているようです。
フワフワと浮く茶柱を見て楽しむことは出来ますが、稀少な現象によっていつ幸運が訪れるかな?っていう夢も見たいですよね。