学生時代に一度、フェリーを利用して旅行をしたことがあります。
当時、東京ディズニーランドが開園したばかりだったため、同級生の女の子数名で夏休みを利用して行ってみようということになりました。
学生ですからお金はないけど、時間だけはあります。
旅費を節約するため北海道から東京まで往復フェリーに乗船しました。
船に乗るのは高校2年の時の青函連絡船以来です。
船酔いが心配だったのですが、幸いお天気もよく、船が大きく揺れることもないよい旅だった記憶があります。
乗船した船は日本沿海フェリーの「さっぽろ丸」という船です。
行きは苫小牧港をお昼ちょっと前に出航して、東京の有明埠頭へは翌日の午後8時くらいに到着するフェリー1泊2日の旅です。
休み中ということもあり、フェリーは満席状態でした。
自分たちはB寝台という2段ベットの相部屋を利用しました。
同じくらいの年齢の人も多く、北海道をバイクで旅行して東京へ戻る大学生の男性グループと仲よくなりました。
古い言い回しですが、ひと夏のアバンチュール的な楽しい思い出です。
行きはそんなことで大学生グループと話をしたり、トランプゲームをしたりして時間が短く感じました。
その頃は有明から都心までかなり不便でした。
一番近い繁華街は銀座、もしくは門前仲町です。
タクシーを利用するにしてもどれくらいかかるのか分かりません。
幸い、東京駅まで送迎バスが出ていたのでそれを利用することができました。
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2日間たっぷり遊んで、帰りのフェリーは2日後の夜23時30分出航です。
帰りは「えりも丸」という船で「さっぽろ丸」から比べると多少小さくで船内も古かったです。
日本沿海フェリーにはそのほかに「しれとこ丸」という船もあって3隻でこの航路を就航していたようです。
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乗船後、疲れていたのですぐに就寝、朝起きたら船の外は海しか見えませんでした。
遅い朝食を船内のレストランで済ませました。
その日は丸一日航海なので何もすることがなく長い一日でした。
お天気もよかったのでデッキに出て大海原や遠くに見える海岸線を眺めたりしていました。
夕食を食べるために船内のレストランへ行きましたが、かなり混雑していてドタバタしていて、食事が出てくるまでかなり待たされました。
食事は意外に美味かったです。
北海道へ旅行する人向けにメロンなど北海道の特産品を出されていて、人気があったようです。
翌日は朝6時45分に苫小牧港へ到着し下船。
タクシーでJRの駅まで移動し札幌まで帰りました。
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現在、苫小牧-東京航路はなく、苫小牧-大洗で就航しているそうです。
「さっぽろ丸」は苫小牧-大洗へ転配された後に神戸の航路で活躍し、その後、ギリシャで就航していた時期もあるようです。
「えりも丸」は1987年に苫小牧-大洗航路に「おおあらい丸」就航したのを伴い引退。
ギリシャに売却されたのち、サウジアラビアへ転配されたそうです。
「しれとこ丸」は「2代目えりも丸」の就航後に引退、海外へ売却され、現在香港でカジノ船として活躍しているそうです。
最近は豪華客船が人気で船での旅も見直されています。
豪華客船に乗るのは難しくてもフェリーであれば乗ることができます。
スピード時代にフェリーでスローな旅もよいかもしれませんね。