とある年の11月、回ったつもりでいた京都の社寺の中で、平等院と醍醐寺にはまだ行っていない事を思い出し、その二つが比較的近い場所にある事を利用して、この二つをセットで周る計画を立てたのでした。
ただ、電車やバスを利用するのはややこしそうなので、自分の車で行く事にしたのですが、二つをセットで周る事と、あわせて、それらが後にとんでもない大誤算となりました。
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醍醐寺に着いたのはお昼過ぎでしたが、二カ所を回るだけなら余裕の時間です。
広大な敷地内に、数多くの文化財が存在するこのお寺ですが、結構へんぴな所のために、立ち寄れば他を回る時間が少なくなります。
それでも行ってみる価値はあると思いました。
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行ったのは11月の終わりだったので、殆どの紅葉が散っていましたが、地面に落ちた紅葉が赤いじゅうたんの様で、それはそれでなかなか美しいものでした。
しかし、問題はこれから。
というのも、本堂などは山の上にある「上醍醐」と呼ばれる所にあり、しかも、所要時間は徒歩で約1時間…。
せっかくだからと軽いノリで登り始めたのですが、それが大誤算の始まりだったのです。
観光地の山道がキツイはずがないと思っていたのですが、そこは修業の場であって、中途半端な決意で立ち入ってはいけない領域でした。
醍醐寺(下醍醐→上醍醐)
【北門】→◆三宝院・理性院→◆西大門→◆金堂→◆五重塔→◆弁天堂→【上醍醐への林道→横嶺峠→醍醐山】→◆五大堂→◆白川皇后陵→◆開山堂→◆如意輪堂→◆薬師堂→◆醍醐水→【下醍醐への参道】→◆醍醐の花見場所→◆西大門→◆唐門→◆総門
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結局、往復4時間程かけてお参りしてきたのですが、さらに、通常20分もあれば着くはずの平等院までの道のりが延々と大渋滞で、これまた思っていた時間をはるかにオーバーした30分以上もかかってしまい、平等院の駐車場の締切時間に間に合わなかったのです。
そこで平等院の方は、後日、そこだけと言う贅沢なスケジュールでリベンジすることにしました。
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宇治市と言うのは京都の中心からは離れていますが、宇治川にかかる橋の上から山の方を見ると、これぞまさしく「THE 京都」という景色が広がり、特に桜のシーズンには美しくも雅な光景が広がります。
以前、その光景は、橋を通過中の車の中から見たことがあります。
今回は紅葉ですが、その美しさも決して嵐山に負けてないと思います。
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宇治平等院といえば誰でも知っている、十円玉の裏側に描かれた鳳凰堂が有名ですが、私が行ったのは大修理の前だったので、今の様な華やかな感じではありませんでした。
しかし、古びた感じが何とも言えない荘厳な雰囲気を漂わせており、今の状態も好きですが、そうなる前も負けずに綺麗だと思っています。
まさしく苦行となった今回の京都旅行ですが、また同じルートを、今度は桜の季節に美しい景色を楽しんで見てみたいと思っております。
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楽しいはずの「旅行」が思わぬかたちで「苦行」となってしまいましたが、それもこれもちゃんと下調べをしておけばこんな事にはならなかったのでしょう。
一応、迷わない様に道だけは調べて行ったのですが、それすらも不十分だった様で、上の方まで車で上がれるルートがあったそうです。
結局その日は醍醐寺に行っただけとなり、翌日、足がとてつもない筋肉痛に襲われるという、まったくもって面白くないオチまで付いでしまいました。
下調べの必要性を、この身をもって思い知った1日でした。